「家族手当」の「相場」は月3万~5万円?
「育児手当」というと、これまでは「家族手当」にひと括りにされて全社員に支給されていたり、育児休業時の給与保証の補填として対象者に支給されていたりといった、給与の補助として支給したケースが多かった。
企業は、これまで短時間勤務やフレックスタイムといった勤務時間の調整や配置転換によって、社員が育児時間を確保できるよう配慮してきた。ただ、実際には勤務時間の短縮や育児休業の利用が進んでいない。
こうした背景もあって、最近はJACリクルートメントのように費用面から母親社員を、具体的に支援する傾向に変わってきているようだ。「使った金額を毎月申請してもらうことで、余分なコストを抑えることができる」(JACリクルートメント)メリットもある。
少子化の進展を踏まえ、仕事と育児の両立や多様な働き方の提供は、企業にとっても若くて優秀な人材を確保するには欠かせない。
育児手当を含め、家族手当を支給する企業は少なくなく、厚生労働省の就労条件総合調査によると、2009年11月時点で「家族・扶養・育児手当」を支給している企業は65.9%ある。たとえば、伊藤園や、学生寮や社員寮などを管理・運営する共立メンテナンスなどが実施している。
とはいえ、家族関係の手当の「相場」は月3万~5万円のようで、JACリクルートメントの育児だけで7万5000円は「破格」ではある。