参院予算委員長が仙谷氏に厳重注意
古賀氏がテレビで語ったのは、この国会での場面のことだ。仙谷発言について「その瞬間、凍り付くような感じがしました」と振り返った。どう喝だと受け止めたのか、との質問には、「長官がどういう意図で言われたのか分かりませんが」としつつ、「そうですね。感覚的には…」と認めた。
仙谷氏はこの件などで前田武志・参院予算委員長(民主)から10月19日に厳重注意を受けた。ほかにも野党側質問を「拙劣」と仙谷氏が批判したことも関係している。25日の同予算委冒頭で謝罪することになった。
仙谷氏の「どう喝」発言は、もし民間の会社であったものならパワハラに当たるのだろうか。労働問題に詳しい佐川明生弁護士にきいてみた。
佐川弁護士によると、(古賀氏にあたる)発言者の直属の人事権がある上司が「彼の将来を傷つける」などと発言すれば、シチュエーションにもよるが「基本的にはパワハラに当たると考えられます」。
ではズバリ、今回の仙谷氏と古賀氏のケースはどうなのだろうか。
「パワハラという言葉が適切かどうかは分かりませんが、構図としてはパワハラと同じです」「(官房長官は)直属の人事権をもつ人物(大臣)に影響を及ぼし得るでしょう」
仙谷氏の「古賀さんの上司として」との発言は、古賀氏が国家公務員制度改革推進本部事務局にいた一時期、公務員制度改革担当大臣が仙谷氏だったことが頭にあったようだ。経済産業省によると、現在の古賀氏の「人事権がある上司」は、大畠章宏経産相だ。
ところで、古賀氏は、人事などでの不利益を顧みず天下り対策批判などを続けている「背景」についても語っている。数年前に大腸がん手術を経験し、「やり残したくない」「怖いものがなくなった」と明かす。一方、仙谷氏のサイトなどによると、仙谷氏も02年に胃がんで摘出手術をしている。