批判受けると「一緒に考えてくれませんか」
では、Gapは何を思ってこの重大な決断をしたのか。デザイン変更から2日たった10月6日、フェースブック上の同社ページを通じて初めて「私たちの変化の一部にしかすぎません」と言及した。そして、話題性を逆手にとろうとしたのか、ネット上でユーザーからのアイデアを集める「クラウドソーシングプロジェクト」を近いうちに始めると宣言。翌7日には、このプロジェクトへの協力を呼び掛けるマーカ・ハンセン社長の手記が米ニュースサイト「ハフィントン・ポスト」に掲載された。
ハンセン社長はそこで、「Gapというブランドは常に進化し続けていて、商品などと同様にロゴも変化するのは自然な流れだ」と説明した。
いきなりロゴを変更し、批判を受けると「一緒に考えてくれませんか」と呼びかける異例の対応に、ネットの怒りはさらに爆発。フェースブックでは、「新しいロゴはひどい!」「なんで変える必要があるんだ?」「頼むから昔のロゴに戻してくれ」「単なる宣伝行為ではないか?」「どうしてタダで考えてやらなくちゃいけないんだ?」など批判的なコメントが1000件を超えてしまう。ネットの声に歩み寄ったつもりが、逆に火に油を注ぐ結果となってしまったのだ。
ネット上での悪評は数多くの報道で取り上げられ、ハンセン社長は10月11日、こう表明した。
「今回のプロセスから多くのことを学びました。私たちのやり方が間違っていたことは明らかです。私たちはネット上のコミュニティーとうまく付き合う機会を逸していたことに気づきました。今回のプロジェクトは、内容、時期ともに不適切でした」
新ロゴ誕生から1週間目の降参宣言だった。
声明は「またロゴを変えるときがきても、今度は違う方法で取り組むでしょう」と懲りた様子で締めくくられている。