各国からの出展減少、「インパクトに欠けた」
一方、NTTドコモが出品したのは「触れる3D」。携帯端末のような機器の小型画面には裸眼で視聴できる3D映像が出現。画面に登場したカメレオンの伸ばした舌に専用ペンを「触れる」と、舌に巻き付かれたような感触が伝わり、ペンがはじかれる、という新技術。実際に携帯端末で何にどう使うのかは分からないが、ドコモは「ゲームなどに活用できないか検討中」としている。
3D技術以外では、今年は電子書籍対応端末や、IT活用で効率的に電力を使う次世代送電網「スマートグリッド」関連などに各社が注力し、来場者の足を止めていた。
ただ、世界各国からの出展が減少し、「インパクトに欠けた」(電機大手幹部)のも事実。いまやデジタル家電で世界をリードするサムスン電子やLG電子といった韓国勢が参加を見送った。ソニーもブースを縮小し、米国で今秋発売するインターネット対応「グーグルテレビ」も展示しなかった。消費地としての日本の地盤沈下を象徴しているのかもしれないが、世界的に薄型テレビの最新の付加価値は3Dからネット対応に軸足が移りつつあるだけに、「3Dが目玉では寂しい」という声も聞かれた。