ホームレスが溢れ、コンドミニアムは95%空室
そうなれば、ラスベガスのようにカジノ産業で成り立っている都市には一大事だ。単にギャンブルの収入が減るだけではない。宿泊施設から飲食店、エンターティンメント事業と、カジノを核としたさまざまなビジネスを直撃し、そこで働く人々の雇用を奪う恐れも出てくる。
それでなくてもラスベガスは、サブプライム問題と、それに続く2008年の「リーマンショック」後の不況の波から立ち直れないままだ。10月2日付けのNYTによれば、失業率は14.7%に達し、米国全体の数字を大きく上回っている。ラスベガス中心部にあるプラザホテルアンドカジノでは、400人が一時解雇を言い渡された模様だ。
オンラインメディア「ビジネスインサイダー」では、ラスベガスを「全米を覆う不況の悪夢の縮図」と表現。「ホームレスが溢れ、コンドミニアムは95%が空室。通りも寂しい状態で、街が復活する見込みはまるでない」との読者の投稿を紹介している。
瀕死ともいえる現状に、さらにカジノ施設への客足をとめるような法律ができれば、「とどめ」にもなりかねない。合法化に反対するカジノ施設も多く、また11月の中間選挙で共和党が勝利した場合、民主党議員が出したこの法案が議会を通過するかは微妙だが、政府にとっても税収増を見込めるだけに、否決されても復活することもありうる。