「AKB48」メンバーの顔が大きな鉈で切断され、下の体がボトリと落ちる。そんなシーンが納められた新曲のプロモーションビデオが「グロテスクすぎる」と批判されて販売が中止になった、などとネットで騒動になっている。発売元のキングレコードによれば、もともと新曲CDの付録として収録する予定は無かったというのだが、いったいどうなっているのか。
問題の新曲CDは2010年10月27日に発売される「Beginner」。「AKB48」のこれまでの曲とは雰囲気が違うダンスミュージックで、メンバーは曲に合わせて激しいダンスを披露している。
顔を真っ二つにされ、体がボトリと下に落ちる
ネットで騒がれている「Beginner」のPVには、メンバーの小嶋陽菜が大きな鉈のようなもので顔を真っ二つにされ、顔半分下の体がボトリと下に落ちるシーンや、大島優子が黒く長い針のようなものに胴体を貫かれ、口から緑色の血のようなものを吐き出したり、前田敦子が叫び狂いながら自ら腕を切断するシーンなどがある。ネットでは「それにしてもあのPVは酷すぎ」「これPVとか冗談でしょ?」などと騒然となった。そしてネットでは、
「AKBには小学生のファンも付いているため、映像がグロすぎるとしCDに収録するのが中止になった」
などという噂が広がった。
このPVは映画「下妻物語」「嫌われ松子の一生」などの大ヒット作品がある中島哲也監督が手がけたもので、ゲームの世界に没頭する若者への警鐘と「痛みを通して生の意味を問う」というメッセージがこめられたものだという。
それではどうして新曲「Beginner」のCDに収録するのを辞めてしまったのか。発売元のキングレコードに話を聞くとネットの騒ぎとは話の中身が異なっていた。
新曲CDに収録する予定は無かった
このPVは中島監督が手がけ素晴らしい出来になった作品だが、もともと新曲CDに収録する予定は無く、
「非難があったから収録をやめたというのはネット上の勘違いです」
と説明する。このPVはこれまで2回上映され、1回目は10年9月21日に日本武道館で開催されたAKB48のメインボーカル(センター)を決める「じゃんけん選抜」。2回目は10月10日の東京・葛西臨海公園での野外公演だった。いずれも1万人のファンが詰め掛け、「じゃんけん選抜」では中島監督がこのPVの説明をし、葛西臨海公園ではキングレコードのスタッフがPVの説明を行った。
ただし、このPVが今後どのような形で公開されていくかは公表しておらず、葛西臨海公園ではキングレコードのスタッフが「新曲CDへの収録はありません」とファンに伝えたと言う。また、このPVはマスコミ各社を含め外部には出していない。このため、ネットに流出した映像は公演中に誰かがビデオ撮影したもののようだ。今後、このPVの扱いについてキングレコードでは、
「どのような形で公開していくかはまだ何も決まっていません」
と話している。