くら寿司「報道の横暴」と大反論 TBS「私どもの見解とは異なる」

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   内定辞退の「強要疑惑」を報じられた「くら寿司」側が、大阪・毎日放送の報道を1か月以上も後に紹介したTBSに対して、サイト上で長文の反論を繰り広げている。TBSは今になって紹介した理由を明かさなかったものの、「私どもの見解とは異なる」との立場を明らかにした。

   回転寿司の「くら寿司」を全国で約250店展開する「くらコーポレーション」。そのサイト上に掲載された反論は、PDFで6ページにもわたってビッシリと書かれていた。

「法的措置も検討している」

   きっかけは、毎日放送が2010年9月1日に報じた「強要疑惑」を、TBSが10月12日深夜放送の「NEWS23クロス」で紹介したことだ。毎日放送の番組では、内定者らが、3月下旬の入社前研修で社訓を35秒ほどで暗唱できなかったとして、内定辞退届を書かされたと訴える場面が流された。そして、20人以上の辞退者が出て、うち1人がくら側と裁判で係争中だと報じていた。

   TBSの番組は、その内容を紹介したうえ、再度取材が行われ、くら側から「係争中のため回答は差し控えたい」などとコメントがあったと報じている。

   くらコーポレーションは、毎日放送の番組などでは、内定辞退は強要ではなく自発的なものだと説明し、その以上の詳細については明かしていなかった。しかし、サイト上の反論では、TBSが毎日放送と同じ映像を使って、事実と異なる恣意的な報道をしたとして、プライバシー配慮などから明かしていなかった自らの見解を説明することにしたとしている。

   サイト上で、くら側は、番組に出た関西大学の新卒者男性(22)に辞めないよう説得したものの、4度も内定辞退を申し出たので手続きをしたと主張。4月8日には大学に辞退取り消しもできると説明したのに、本人が拒否したとした。また、大学不明の別の新卒者男性(24)については、人事担当者が怒ったのは辞めさせたくないからで、こちらも本人の辞退希望があって手続きしたという。

   「辞退強要」については、内定者確保も大変で出店を増やしているときにありえないと説明。毎日放送やTBSが厚労省でもないのに会社名を公表したのは、「報道の横暴」だとして、法的措置も検討していることを明らかにした。

批判の矛先は、関西大学にも向かう

   さらに、批判の矛先は、関西大学にも向かった。

   毎日放送の取材に対し、同大キャリアセンター事務局長は、くらコーポレーションの対応について、「新卒切りに等しい」「内定取り消しと同等のものだ」と述べ、説明に来たくら側の人事担当者に抗議したと明かしていた。これに対し、同社はサイト上で、事務局長が言うように、辞退届を伝家の宝刀のようにふりかざしたり、20人以上が辞退した研修を自慢したりしたことはないと反論した。

   反論では、さらに、関西大から新卒者が3人も入社したのに、彼らに事情を聞かず、最初から金銭での解決を示唆した、などとも述べている。

   TBSの広報部では、取材に対し、くら側の主張について毎日放送と協議したことを明らかにし、そのうえで次のように反論した。

「当該放送は綿密な取材に基づくものであり、私どもの見解とは異なるとしか言いようがありません。放送したとおり、くらコーポレーションに対しては再三にわたって事実確認の取材を申し込みましたが、同社はこれまで回答を拒否し続けています。私どもとしましては、放送内容が全てであると考えており、取材の経過など詳細につきましては回答を控えさせていただきます」

   ただ、TBSがなぜ今になって毎日放送の報道内容を紹介したかの理由については明かさなかった。

   関西大の広報課では、放送内容について、「インタビューで答えたことは事実です。それ以上のことは、現段階ではありません」とする。くら側の説明については、「一方的な見解だと思いますので、事実関係も含めて何も申し上げることはないです」としている。

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