公明の「二股交際」 自民なのか民主なのか

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衆院補選にみる微妙な民・自・公の関係

   そんな情勢の中、10月12日に衆院北海道5区の補選が告示された。民主党の小林千代美・前衆院議員陣営の北海道教職員組合の違法献金事件などを受けた小林氏の辞職に伴う選挙だ。09年夏の衆院選で小林氏に敗れた自民公認の町村信孝・元官房長官や民主、共産の新顔ら5人が立候補している。公明は、09年時には町村氏に推薦を出したが、今回は推薦も支持もしていない。

   今回の補選での公明と自民の関係は、なかなか微妙なもののようだ。10年9月24日に公明の山口那津男代表が「わが党も自民党も再建途上だ。政党対政党で選挙協力をするという合意に至ることは難しい」と述べたことを受け、中央レベル・地方レベルの区別をつけずに「公明は今回自主投票」と報じるマスコミ報道が多い。

   一方、読売新聞は10月13日付朝刊(政治面)で、公明の北海道議会議員が町村氏の応援演説に立ったことに触れ、「補選では『野党陣営』として結束を固めている」と報じた。地方レベルでは、「自公」の枠組みを保っている、ということなのだろうか。

   公明党北海道本部の佐藤英道幹事長(道議)にきいてみると、「道本部としては、自主投票でもないし、自公結束でもない」と微妙な答えが返ってきた。今回の補選が「政治とカネ」の問題に伴う辞職劇が発端であることと、「『政治とカネ』に厳しく対応してきた」公明党の従来の立場を重視して、「こうした経緯を踏まえて、棄権ではなく投票してほしい」というのが公式見解なのだそうだ。

   この見解は、民主新顔には投票しないよう排除しているだけのようにも読めるし、読売新聞は「町村氏を実質的に支援」と受け止め、そう報じた。佐藤幹事長は、「『町村氏を実質支援』は違和感がある」と述べる一方で、個人的に町村氏を支援する公明支持者や地方議員がいるのも事実、と説明した。

   なんとも微妙な「自公関係」がうかがえ、「民主への配慮」がちらつく対応にも映る。いずれにせよ、補正予算案を巡る公明の柔軟姿勢は、近い将来の「連立入り」を占う試金石となりそうだ。

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