北朝鮮の金正日総書記の三男、正恩氏がテレビなどで後継者としてお披露目されて10日以上が経つが、家族関係など、いまだに謎の部分が多い。年齢は27歳だとされる正恩氏だが、専門家からは「すでに結婚しているのでは」との指摘も出ている。
「既婚者説」を唱えるのは、コリア・レポート編集長の辺真一さん。辺さんが挙げる理由は、大きく3つだ。
金一家の婚期は20代後半に集中している
ひとつが、
「指導者の立場にいる人間が独身だということはあり得ない」
という点だ。確かに、日本、中国、韓国、北朝鮮などを見ても、「独身指導者」は珍しい。最近でこれに該当するケースは、離婚後の01年に首相に就任した小泉純一郎氏ぐらいだ。つまり、後継者としてお披露目するからには、結婚するなどの段取りは完了しているはずだ、という見立てだ。
2つ目が、金一家の婚期が20代後半に集中しているということだ。金正日総書記は25~26歳の時に結婚したとされ、長男の正男氏(39)は、正日氏が29~30歳の時の子どもだ。また、正男氏が01年に成田空港で拘束されたときは30歳だったが、その時には子どもを連れていた。子どもはこの時点で、4歳だとされている。このことから、結婚した時期は、やはり25歳前後だと推定できる。
北朝鮮では結婚式で腕時計や万年筆を贈る
また、次男の正哲氏(29)についても、06年のドイツワールドカップ開幕直前にドイツを訪問した時の様子を、フジテレビのカメラがとらえている。この訪問は、エリック・クラプトンのコンサート鑑賞が目的だとされ、正哲氏以外に中年女性や若い女性など5人が同行。その内訳は「ボディーガード2人、案内人1人、家政婦1人(中年女性)、恋人または妻(若い女性)」だとみられている。このことから、辺さんは、このドイツ訪問が事実上の新婚旅行だとの見方をしている。この時、正哲氏の年齢は25歳。
このように、金一家は、そろって25歳前後で結婚している。このことから、辺さんは、正恩氏についても、同時期に結婚している可能性が高いとみている。
3つめが、正恩氏がつけていた腕時計だ。正恩氏が2010月10日の軍事パレードを視察した時の映像では、左腕に丸い腕時計をつけていることが確認できる。
辺さんによると、
「結婚式では、韓国では記念品として指輪を交換することが多いが、北朝鮮では腕時計や万年筆が多い」
といい、
「色々と理由はあるのですが、腕時計を見て(既婚者だと)確信しましたね」
と話している。