「優秀でない学生に税金使うな」 大前研一コラムに賛否両論

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厚労省「就職率高くても、就職できない実数多い」

   一方で、ネット上では、大前研一氏の主張に共感する声も多い。

   2ちゃんでは、雇用規制を緩和して、労働市場を流動化させる方が先決だとの声がみられる。また、大卒後4年以上の中途採用が滞ってしまう、本当の新卒者が採用されにくくなる、といった意見もあった。さらに、企業がカネをもらうために不正をするのでは、という不安も出ている。

   こうした声に、政府はどう考えるのか。

   厚労省の若年者雇用対策室では、大前氏の主張に対し、こう説明する。

「確かに就職率は高いとみられていますが、就職できない学生の実数は、相当な数に上ります。それだけで7.5万人もおり、このまま放置すれば、フリーターになるなどして、社会的に大きな負担が生まれます。20社も落ちていると言っても、状況によります。そこで、新卒に近い人は、正社員として採用してほしいと助成金を付けることにしたわけです」

   ネット上の意見については、「規制緩和の議論もありますが、まず新卒者の対策が必要と取り組んでいます。政策は重点的に大卒後3年以内としただけで、4年以上の方もハローワークなどで支援しています。新卒者の枠も維持しながら、既卒者も増やすように考えています」と答えている。

   助成金が確定した2010年9月24日時点で、企業の新規求人1.8万人分を確保したという。ただ、就職できなかった学生は、この3年間で計15.5万人おり、求人が学生の希望とミスマッチの可能性もあり、どの程度の効果があるのかは不明だ。

   文科省でも、経団連などに大卒3年以内を新卒扱いにするよう要請している。が、学生留学生課によると、まだ意見交換をしている段階で、経済界の結論は出ていないという。

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