液晶テレビや冷蔵庫などを販売しているヤフーショップで、大型液晶テレビの価格が1万1500円などと表記され、祭状態となった。ネットには「10台注文した」などといった書き込みが殺到。結局「誤表記」だったのだが、ソフトバンクの孫正義社長もツイッターで言及するなどの騒ぎとなった。
2010年10月11日までに、ヤフー!ショッピングに出店している「バリバリ家電」で、商品が異様に安い価格で売られていることがネット上で発覚した。
「なんか危険な気がするので通報しました」と孫社長
同店はエアコンからカメラ、布団乾燥機まで販売している総合家電店なのだが、通常30万円前後するシャープの液晶テレビ「AQUOS」の52V型の販売価格が「バリバリ特別価格」として1万1509円となっていた。
他にも、通常20万円前後のパナソニックのブルーレイレコーダーが約3000円。20万円以上する日立の3Dテレビが約2万7000円。5~9万円で通常販売されている日立の乾燥機付き洗濯機も約6600円だった。一方で、異様に高い商品もあり、通常8000~9000円の3Dテレビ視聴用のメガネは約5万2000円となっていた。
ネットでは、大きな話題となり2ちゃんねるなどに書き込みが殺到。
「俺なんかテレビ10台注文したぜw」
「速攻でアクオス52V型買った」
といったものが寄せられた。同店には実際に注文が殺到したようで、12日16時現在、ヤフーショッピングのデイリー売れ筋商品ランキングで1位~10位までを同店の商品が独占している。
ツイッターでは11日夜、ユーザーがソフトバンクの孫正義社長に「バリバリ家電yahoo店、これおかしくないですかね…?」と指摘した。孫社長は、「なんか危険な気がするのでやめた方がいい気がする。Yahoo!にも通報しました」と返答している。
その後、バリバリ家電ヤフーショッピング店は12日朝までに「一時休店」状態となった。現在はトップページに「価格誤表記のお詫び」という文章が掲載されている。
それによると、誤表記はヤフーショッピングの店だけでなく、オフィシャルの本サイトの方にもあった。誤表記のあった商品については、販売をキャンセル。ヤフーショッピング店の利用案内ページには、注文受領後でも「掲載価格、販売価格に誤りがあった場合」注文を取り消すことができると表記していた。
代金は返却、注文時の個人情報は「必ず削除」
既に銀行から代金を振り込んだ客には、順次返金するとして、「お買物頂きましたお客様には大変なご迷惑をおかけして申し訳ございません」と謝罪。注文時に入力した個人情報については「当店からのお客様へのご連絡以外の用途には利用せず、順次、必ず削除させて頂きます。又、商用として利用する事は一切ございません」としている。
ヤフージャパンの広報担当者によると、バリバリ家電が間違った価格を入れてしまい、9日(土)午後から誤表示の状態が続いていた。その間注文もされていたが、連休中ということもあり11日の深夜、ネット上で話題になるまで気付かなかったという。注文キャンセルについては、
「注文を受けると、機械が自動で注文確認のメールを送ります。その後、在庫を確認するなどして、実際に注文を承諾したというメールを送るのですが、今回はそこまでに至っていなかったので、注文をまだ受けていない段階と判断してキャンセルに至りました。ご注文頂いた方には大変申し訳ございませんでした」
と話す。個人情報の件も含め、注文客に不安のないよう対処していくとしている。
ネットショップでの価格誤表記は以前から時折ある。7月にもアマゾンに出店していたショップがポカリスエット30本を103円という誤った価格で販売。注文が殺到し、祭状態となった。