ハイボール人気の後押しもあって、昔懐かしのウイスキーブランドの「復権」が著しい。サントリーの「角瓶」や「トリス」、アサヒビールの「ブラックニッカ」、キリンビールの「ボストンクラブ」などがそれ。50~60歳代を中心とするオヤジ世代ならば、若かりし頃にどれも一度は口にしたことのあるウイスキーだろう。
2010年9月21日に発売された「トリス〈エクストラ〉」ボトルは、9月中に13万ケースを出荷し、絶好の滑り出しをみせた。さらに、「トリス ハイボール缶」はそれを上回る23万ケースを出荷。年内40万ケースの目標の半分を10日で達成してしまうほどの大人気だ。
吉高由里子さんと「アンクル・トリス」CM共演
人気女優の吉高由里子さんといっしょに、サントリーの「トリス〈エクストラ〉」と「トリス ハイボール缶」のテレビCMに登場するのは、赤いジャケット姿が懐かしい、イメージ・キャラクターの「アンクル・トリス」。CMの舞台もどこか懐かしさが漂う「トリハイ酒場」(トリスのハイボール酒場)という設定だ。
トリスは1950~60年代に、「トリハイ」と呼ばれるハイボールの飲み方で大流行した。サントリーによると、トリスのハイボールが飲める「トリハイ酒場」は2010年9月末時点ですでに全国で1万9000店と、さらに増えることが期待されている。
サントリーは2年前から「角瓶」を前面に押し出してきた。テレビCMで女優の小雪さんを起用するなどで、積極的にハイボールの「大人」の飲み方を提案してきた。「当初の狙いは30~40歳代の男性でしたが、20歳代には新しい飲みものとして受け入れられ、また50歳以上の方もウイスキーに戻ってきたようです」と、いまのハイボール人気の「火付け役」となった。
同社の1-8月期の販売実績はウイスキー類全体で前年同期比22%増。「角瓶」だけみても、同53%増と快調に伸びている。