青森県庁内で男性職員(59)が深夜に女性と性行為をして、減給処分を受けていたことが分かった。男性は女性を「管理・監督」する立場にあったというが、女性についてだけは身元も明かされず、処分もされていない。
2年前の不祥事が発覚したきっかけは、情報公開請求だった。
河北新報の情報公開請求で発覚
青森県の人事課によると、地元の河北新報が懲戒処分について情報公開請求し、個人情報を除いて公開されたものを同紙が2010年10月7日に報じた。
その記事や人事課の話によると、男性職員は07年8月11日午前零時過ぎ、勤務していた県内の庁舎内で、当時県庁内で働いていた女性と性行為をした。職員は、妻子がいたため、不倫関係になる。この日は、仕事で残っていた。女性が独身かどうかは資料に記述がなく、深夜残っていた理由については公開されていない。庁舎内で性行為をした動機についても、資料に書いてないという。
この不祥事は、08年4月になって、匿名の電話があって分かった。
防犯カメラに映っているなど、特に証拠はなかった。しかし、県が職員に聞き取り調査をしたところ、性行為をしたことを素直に認めた。合意のうえだったと話しており、県も強要の事実はなかったとみている。
これに対し、県は同7月11日付でこの職員を減給2か月(10分の1)の懲戒処分にした。一方、女性については、処分しなかった。
不祥事が報じられると、ネット上では、不満の声が上がった。なぜ女性については身分を明かさず、処分もしないのか、ということだ。
処分なし「理由は公開されていない」
懲戒処分の理由について、青森県人事課では、「男性職員が女性を管理監督する立場だったことを重くとらえて処分しました」と説明する。パワハラはなかったという。
女性を処分しなかったことについては、その理由は公開されていないとだけ答えている。
女性については、「管理監督される立場」から、職員や臨時職員、アルバイトが考えられる。ただ、深夜という時間帯を考えると、職員の可能性が強い、とみられる。身分を明かさないことについて、人事課では、「個人情報が分かってしまうため」と説明するのみだ。
匿名の情報提供者は、深夜、庁舎内で働いていた人が考えられるが、この提供者と男性職員や女性との関係は「承知していません」という。なぜ性行為が分かったのかについても、ナゾのままだ。
情報公開するまで、処分を公表しなかった理由については、強要ではないことや女性のプライバシーに配慮したこと、さらに男女間のことで県民に直接的な影響がないことを挙げている。