蓮舫行政刷新相(42)が、国会内で規則に反してファッション誌の撮影に応じていたことが分かった。総額300万円近いブランド服を着てポーズを取っている。
イメージに合わせたという白のスーツ姿で、手を腰に当ててポーズを取る蓮舫氏。
「議員活動理由と違い、宣伝色強く」
きりりと立った襟元が凛々しい。国会議事堂3階の渡り廊下で撮ったといい、バックには荘厳な議事堂内部が写っている。
これは、ファッション誌「ヴォーグ ニッポン」2010年11月号に載ったインタビュー記事にある写真だ。記事は、6ページにわたり、ほかに赤や黒のブランド服を着た蓮舫氏の写真が出ている。
参議院事務局の広報課によると、撮影は、蓮舫事務所から8月18日に申請があり、警務部の許可を受けて翌19日に行われた。国会内では、私的な宣伝や営利目的の撮影は許可されていないが、議員活動については撮影基準で認められている。事務所からは、議員活動という申請理由だった。
ところが、同誌に載った写真は、明らかに「最初の話とちょっと違う宣伝色の強いもの」(広報課)だった。同課では、その証拠として、蓮舫氏が着ていた服のブランド名や値段が写真のキャプションに書かれていることを挙げる。
「議員が普段着ているものであれば、問題がありません。しかし、雑誌社から与えられた服を着て、ファッションを紹介しています。これは、議員活動に本来必要でないことです。こうした写真と分かっていれば、許可しませんでした」
事務局では、撮影基準に反しているとして、雑誌の内容が分かった9月27日に蓮舫氏の事務所に対して口頭で注意した。この問題は、参院議院運営委員会理事会でも10月7日に取り上げられ、野党から批判が噴出。西岡武夫参院議長が同日、蓮舫大臣を国会内に呼んで不適切だと注意する事態にまでなった。
ファッションリーダーをPR?
この問題について、蓮舫氏はどう考えているのか。
参議院の広報課によると、口頭での注意に対し、蓮舫氏側からは特に反論はなかった。蓮舫氏の事務所に取材すると、担当の秘書が2010年10月7日夜になって、「現在、議運で協議中であり、現段階でのコメントは差し控えさせていただきます」と回答した。
蓮舫氏は、ファッション誌の中で、自ら「ギャルからOLのお姉さんまで全員立ち止まる政治家というのは、私しかいない」と自負している。それは、「必殺仕分け人」として、官僚相手に戦ってみせたことが大きいという。今回は、さらにファッションリーダーとして、女性の有権者にアピールしようと考えたのだろうか。
ただ、蓮舫氏が着たブランド服は、とても庶民的とは言えないものだ。
白のスーツは、イタリアのブランド「ヴァレンティノ」製で、ブーツなどを含めて、総額131万2500円という値段だ。赤の「アルマーニ」ジャケットなどを着たファッションは、67万2000円。すべてトータルすると、300万円近いブランド服だった。
蓮舫氏は、2011年春に予定されている都知事選への出馬がうわさされている。さらに、ファッション誌では、「総理という選択肢も、私の中では否定していません」と明かす。
今回がファッションリーダーとしての賭けなら、それが吉と出るか、凶と出るか――。