ノーベル賞、シシャモの町燃える 弟は「日本一わがまま」店主

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   日本人科学者2人がノーベル化学賞を受けることが決まった。うち、鈴木章・北海道大名誉教授(80)は「北海道初のノーベル受賞者」とあって、道内は大いに盛り上がっているようだ。意外なことに、鈴木名誉教授の弟は、地元でも有名な「日本一わがまま」な商店主なのだという。

   「ノーベル賞 北大・鈴木氏」「道内初 むかわ出身」――北海道新聞の2010年10月7日付朝刊は、鈴木氏の大きな会見写真付きで1面トップで報じた。もう1人の根岸英一・米パデユー大特別教授(75)については、表現は悪いが「添え物」扱いだ。

少年時代は「むかわの二宮金次郎」

鈴木氏らのノーベル化学賞受賞を伝える朝刊紙
鈴木氏らのノーベル化学賞受賞を伝える朝刊紙

   北海道新聞は、受賞が伝えられた10月6日にも、鈴木名誉教授に焦点をあてた号外を出した。やはり「道内初」の文字が躍る。

   「やった!! 祝ノーベル化学賞受賞 むかわ生まれ 80歳鈴木章博士を総力取材」。北海道テレビの10月7日のサイト番組欄には、こうした文字が並んだ。地元情報番組内の特集コーナーのようだ。

   鈴木名誉教授の受賞で北海道が盛り上がるのは、教授が単に北大教授を務めていたというだけでなく、北大卒でもあり、そもそも北海道の(現)むかわ町出身だ、ということも影響しているようだ。

   出身地のむかわ町の役場では、急遽、受賞のお祝いの垂れ幕を業者に発注したが、完成までに数日かかるので、とりあえず10月7日午後、役場正面玄関に、縦2メートル横60センチの紙製の祝福文を張り出した。受賞が決定した6日には、防災無線を使って町民に報告もした。

   また、鈴木名誉教授は苦学の人で、少年時代は「むかわの二宮金次郎」とも呼ばれ、移動中でもよく本を読んでいた、というエピソードも鈴木氏への関心を高めることに一役買っているようだ。各局のテレビに出演した鈴木氏の家族らによると、鈴木氏は10代で理髪店を営む父と死別し、以降は母親が行商をしながら6人きょうだいを育て上げたという。鈴木氏は大学生時代、家族に負担をかけまいと学費をかせぐため1年休学したこともあるそうだ。今回の受賞後に座右の銘を聞かれ、鈴木氏は「精進努力」と答えている。説得力がある回答だ。

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