携帯電話で培ったブランド力もとにテレビに参入
米ディスプレイサーチによると、10年4~6月の薄型テレビの売上高世界シェアは、1位のサムスン電子が24.4%で、2位LGは14.1%で続く。日本メーカーが束でかかっても韓国2社のシェアに届かないが、日本市場では圧倒的に日本メーカーが強い。このためサムスン電子は07年に薄型テレビや携帯音楽プレーヤーの販売を停止。LGにとってはサムスンに対抗するためにも日本市場への再挑戦は必要だったと見られる。
LGはすでに布石を打っている。携帯電話だ。日本でも「薄くてかっこいい」という評価があり、デザインを重視する若者に支持を広げつつある。
携帯電話で培ったブランド力をもとに大量のテレビを販売する戦略は、サムスン、LGが世界で成功した方程式でもあり、従来の「安かろう悪かろう」のイメージを払しょくする可能性を秘める。携帯電話は若者が初めて手にするカネのかかる家電製品。ここから意識を変えていくわけだ。日本メーカー幹部は「いずれ正面から戦わざるを得なくなる」と身構えている。
LGの日本市場での薄型テレビ再挑戦はどこまで成果を上げられるか。まずは年末商戦の行方を関係者は注視している。