今後もトゲとして残る可能性
日本でも、9月30日いっぱいで無料配布を終了した。アップルジャパンに聞くと、すでにアップル直営店ではバンパーの販売を再開しているという。オンラインでは米国同様、値段は表示されているが注文できない状態だ。10月1日以降のアイフォーン4購入者への対応について質問したが、アップルジャパンでは具体的な話を避けた。
実際に、電波問題が日本でどれほど影響したかは微妙だ。日米の事情を比べると、端末は同じでも通信会社は当然異なる。通信の専門家の中には、米国でアイフォーンを販売する通信会社はインフラが貧弱で電波問題が起きやすい環境だと指摘する一方、日本は、米国ほど問題になりにくいのではと考える人もいる。だがネット掲示板では、「電波が入らなくなった」とのアイフォーン利用者の書き込みも少なくない。少なくとも、電波受信障害が報告され、その対策を9月いっぱいで終えたという事実は、日本の利用者にも伝わったわけだ。
一連の電波騒動との因果関係は定かでないが、米調査会社ニールセンによると、米国で過去半年間に購入されたスマートフォンの基本ソフト(OS)シェアは、2010年8月には米グーグルが開発したOS「アンドロイド」が32%で、25%にとどまったアイフォーンOSを引き離した。日本ではアイフォーンの独壇場だったが、NTTドコモが10月5日に韓国サムスン電子製の新型スマートフォンを発表。KDDIも、従来の携帯電話がもつ「財布機能」や「赤外線通信」を組み込んだスマートフォンを開発した。一方アイフォーン4は、根本的にはクリアされていない電波問題が、今後「トゲ」として残る可能性はある。