自社生産するホンダ、三菱自はどうなる
ダイハツの伊奈功一社長は共同会見で「競争は激化するだろう。その点は承知している。ただ軽自動車自体の存在感が増す可能性もある」と語った。
前出のスズキディーラーは「市場がふくらむ時期ではないからパイの奪い合いになる。『トヨタの店ですべて済む』というように客の流れが変わる可能性があり、とくに地方のオーナー経営のディーラーは厳しくなるだろう」と見る。
とりわけホンダ、三菱自動車、スバル、マツダの軽依存度が高い小規模ディーラーにとって死活問題になると見られる。そのうちスバルは軽自動車の自社生産を順次打ち切り、ダイハツからの調達に切り替える最中だけにトヨタともろにぶつかることになる。自社生産するホンダ、三菱自も軽自動車戦略の再考を迫られそうだ。
日産自動車が2002年に三菱自、スズキからのOEM調達で軽自動車市場に参入したインパクトは大きかった。販売力の強さで2007年には三菱自とスバルを抜き去って4位になり、3位ホンダに迫った。シェアが低下したスバルは自社開発・生産からの撤退を決断した。トヨタの販売力は日産の比ではない。トヨタ参入がさらなる自社生産撤退を招いたとしてもまったく不思議ではない。