保有株数の多い株主や長期保有に手厚く
株主優待制度の導入や拡充は、株主の増加促進、長期保有の誘引といった狙いがある。
最近の傾向では、株式の長期保有者を優遇するタイプや、環境保護団体や社会貢献団体への寄付などが行える「社会貢献型」の株主優待が目立つようになった。野村IRの調べでは、長期保有タイプは58社が実施。社会貢献タイプは39社ある。「全体でみるとまだこれからだが、傾向として株主の注目度は高い」(野村IR)という。
新設企業としては、大成建設(東証1部)が7月に導入を発表。保有する株式数によって、ゴルフ優待クーポン券や工事請負代金・仲介手数料割引クーポン券、簡易地震リスク診断券を贈る。
大阪に本店を置く銀行、池田泉州ホールディングス(東証1部)は、金利を優遇する株主優待定期預金を期間限定で取り扱った。医薬品のアールテック・ウエノ(大証ヘラクレス)は7月、慶応大学医学部で講師を務める社長、真島行彦氏が高齢者と目の健康をテーマに「株主優待講演会」を開いた。
朝日放送(大証2部)は、100株以上の保有で500円分のオリジナルクオカードを贈る制度を5月に発表している。株式の長期保有者はさらに優遇する措置もある。
リンガーハット(東証1部)は制度を拡充。保有株数の多い株主に手厚くするため、5段階に分けて食事券(1枚525円、100株で2枚から)を贈る。食品のダイショー(東証2部)も単元株式数の変更にともない制度を拡充。保有株数のよって4段階(100株、1000円相当から)に分けて、自社商品の詰め合わせを贈ることにした。