大成建設、朝日放送…  「株主優待」新設した企業10社

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   個人投資家にとって、配当金や値上がり益とともに株式投資の楽しみになっている株主優待制度。リーマン・ショック以降の景気後退で企業の業績が悪化し、制度の廃止が相次いだが、2010年度も新設した上場企業が10社(8月末時点)にとどまるなど、まだ低迷ぎみだ。ただ、制度を廃止する会社は大きく減りつつあり、「歯止め」がかかったともいえる。

   野村インベスター・リレーションズ(IR)の調べでは、株主優待制度を拡充した企業と縮小した企業との比較でも、08年度に72社あった拡充企業が09年度には45社に大きく減少。一方、縮小企業は08年度の41社から49社に増えていた。

「廃止」にようやく歯止めか

   野村IRによると、株主優待制度を実施している上場企業は2010年8月末時点で1014社。全体の27.6%にあたる。

   2009年度に制度を新設した企業は25社と低迷していたが、10年度も8月末までの5か月間で10社と少ない。09年度を上回ることができるかどうかは微妙なところだ。

   一方、制度を廃止した企業は、リーマン・ショックが起こった08年度の90社、09年度の68社に比べれば、大きく減って13社となっている。

   09年度に制度を廃止した企業のうち、上場廃止や業績悪化を理由にしていた企業は49社。「公平な利益還元のため」を理由にした企業は14社だった。

   10年度は、「上場廃止」や「業績悪化」に伴う廃止が7社、「公平な利益還元のため」が5社、その他の理由が1社の、計13社となっている。

   減少の要因には、上場廃止や経営の統廃合による、いわば「自然減」によるものが少なくない。野村IRは「優待制度を設けている企業が、(制度を)廃止するケースは半数程度になりました」と話しており、ようやく歯止めがかかったようでもある。

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