銀30年ぶりの高騰 投資マネー大量に流入

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   銀の価格が30年ぶりに高騰している。米ニューヨーク商品先物市場で、2010年8月以降で2割も上昇。9月27日には1トロイオンス21.645ドルを付けるなど、高値圏で推移している。

   銀は、金の価格に連動して値上がりする傾向にある。ただ、現物投資の場合はまとまった量(田中貴金属工業では30キログラムから)を購入しなければならないこともあって、個人投資家には買いづらかった。いまの急上昇の背景には、投資ファンドの存在がある。

銀は金の上昇よりも遅れて上がる

   貴金属の老舗、田中貴金属工業によると、2010年9月30日の銀の小売価格は1グラムあたり64円89銭となり、今年の最高値を更新した。円建てベースでは、1グラム72円を付けた2008年上旬(当時の為替レートは1ドル110円)以来の高水準という。

   銀は工業用の需要が圧倒的に多い。09年は約2万3000トンが工業用として使われ、これは全体の80%にあたる。かつては写真フィルム、最近ではコンピュータや携帯電話、記録メディア、殺虫剤や消臭剤、医療器具など幅広く使われているが、ここ数年は新たな工業品としての需要がなかったことから、目立った値動きはなかった。

   ところがリーマン・ショック後の金融危機の影響で、金の価格が高騰。連日、最高値を更新する中で、銀も連れてジリジリと上がってきた。

   欧米で貴金属ETF(上場投資信託)などを販売するETFセキュリティーズ・リミテッドによると、「通常、金の価格は銀のおよそ50倍で推移しています。現在それが60倍にまで開いてきています。銀は金の上昇よりも遅れて上がる傾向にありますから、まだ上昇の余地があるという判断はあると思います」と話している。

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