友好国中国の国営新華社通信も「正銀」と誤る
かなり以前からブログで「正恩」の表記を続けてきたコリア・レポートの辺真一編集長は、
「『正銀』という表記は、常識ではあり得ません。人名録を見ればわかりますが、『銀』という漢字は、女性にしか使わないと言ってもいい。朝鮮半島には、『恩を与える』という意味の慣用句があるのですが、その意味でも、『正恩』という表記が適切だと思っていました」
と、一刀両断。
だが、「正銀」説をとったのは、毎日新聞だけではない。
中国国営の新華社通信は9月28日、朝鮮中央通信を引用する形で、「『正銀』氏」に大将の称号が与えられたことを平壌発で報じているし、中国外務省のウェブサイトに掲載されている9月28日の定例記者会見の質疑応答でも、「正銀」と表記されている。
辺編集長は、
「これで明らかになったのは、北朝鮮は事前に中国側に情報を流したりはしていなかった、ということ」
と、両国間の距離感を指摘。さらに、
「正恩氏の漢字表記を知っているのは、名付け親の金正日総書記だけ。日本から問い合わせを受けてから返答に3日間もかかったのには、担当者が金正日総書記に話を上げるのに時間がかかったからでしょう」
と話している。
日本メディア各紙は10月1日夕刊で、今後は「正恩」と表記する旨の「おことわり」を掲載。毎日新聞も、
「北朝鮮当局が公表していなかったため、ハングル音や北朝鮮関係者の証言などから『正銀』と表記していました。公式報道を受け、今後は『正恩』と表記します」
としている。