ジョンウン氏漢字名は「正恩」 「恩を与える」後継者という意味?

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   北朝鮮の金正日総書記の後継者が、三男のジョンウン氏に決まったことが正式に発表され、写真も公開された。写真と同様に明らかにされてこなかったのが、ジョンウン氏の漢字表記だ。「正雲」「ジョンウン」「正銀」などと二転三転、結局「正恩」だったことが発表された。日本側から北朝鮮にメールで問い合わせて3日たって、やっと「正恩」という「正解」が明らかになった。

   中国政府関係のウェブサイトも「正銀」と表記してしまうなど、中朝間の微妙な距離感も浮き彫りになっている。

平壌の朝鮮中央通信にメールで問い合わせて判明

   北朝鮮では、1970年代から、ほとんど漢字は使われていない。そのため、人名表記は、北朝鮮側から発表がない限り、ハングルの音に対応する漢字を推測して使用しているのが現状だ。実際、金正日総書記が故・金日成主席の後継者として取りざたされていた際も、当初は各メディアが「正一」などと表記してきた。後に朝鮮総連経由で「正日」と伝えられ、それ以降は「正日」の表記が使われているという経緯がある。

   朝鮮中央通信の公式ウェブサイトを運営している朝鮮通信社(東京都文京区)によると、同社が9月28日に正恩氏の漢字表記について平壌の朝鮮中央通信にメールで問い合わせたところ、10月1日の9時頃に返信があった。ハングルで書かれたメールの中に、漢字で「正恩」の表記があったという。

   金正日総書記の後継者として、最初に正恩氏の名前が取りざたされたのは2003年のことだ。6月には韓国の朝鮮日報が、情報当局者の話として「後継者として有力視されている」と報じたほか、9月には聯合ニュースが「後継者として準備が進められているもよう」などと報じた。この頃から、日本メディアは足並みを揃える形で「正雲」の表記を使ってきた。

   だが、09年10月になって、韓国統一省が、北朝鮮内の文書などを根拠に「ハングル表記を変更する」と発表。このハングル表記は「正雲」とは対応しないことから、各紙はいっせいに「ジョンウン」と表記を変更した。ただし、日本国内メディアの中で毎日新聞だけは、09年11月29日の1面に、

「毎日新聞が入手した内部文書によって、『ウン』については『雲』ではなく『銀』や『恩』などに当たるハングル表記であることが既に判明しています。その後の取材で北朝鮮関係者の多くが漢字表記は『「正銀」が適切』と証言しました」

との「おことわり」を出し、「正銀」の表記を続けてきた。

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