「安さ」追求、ブランド力低下の懸念
化粧品大手の参入が相次ぐ「低価格」化粧品市場だが、この市場は「ちふれ」ブランドを展開するちふれ化粧品や、ロート製薬の「肌研」(肌ラボ)が先行している。「ちふれ」は300円のリップカラーをテレビCMで売り出し、新たな需要を掘り起こしに成功。「低価格」化粧品は、豊富なカラーバリエーションや「肌にいい」などの高機能を「武器」に売ってきた。
激戦市場になったが、化粧品業界のある関係者は「大手が参入したからといってパイが広がるわけではない」と冷ややかに語る。
低価格競争になるほど「大手有利」にみえるが、前出の富士経済は「低価格志向が強まっていることは確かですが、価格だけでないのが化粧品のむずかしいところ。消費者の好みやブランドイメージも売上げを左右します。低価格商品に注力することで、かえって資生堂やカネボウといったブランド力そのものが落ちることも懸念されます」と話す。
ロート製薬の「肌研」は機能性が「売りもの」。「製薬会社がつくった化粧品」ということでの信頼度を強みとする。「安さだけではない魅力と、一日の長もある。そう簡単にはシェアは崩れない」(前出の関係者)とみている。