アジア諸国で広がる中国脅威論 「尖閣問題」に疑念、懸念、警戒

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「踏みつけられる草になるな」

   南シナ海では、南沙諸島をめぐって中国とベトナム、台湾、マレーシア、フィリピン、ブルネイが領有権争いを繰り広げており、日中関係の「亀裂」で、米国を巻きこんだ大規模な領土問題に発展するのを恐れる地域もある。フィリピンのメディア「ABS CBNニュース」(電子版)では、9月23日の解説記事で、「中国の経済力が増すにつれて、中国に対抗するほどの力を持たない隣国の多くは、自国の領土的野心をどれほどもち続けられるかに気づいただろう」とした。

   同紙はさらに、シンガポールの国際関係論の専門家が語った「小国は『猛牛同士が闘っている最中に踏みつけられる草』になってはいけない」ということわざを引用して、周辺国の「心構え」を示す。そのうえで、ASEAN(東南アジア諸国連合)元事務総長の、「東南アジア諸国は日中や米中間の関係悪化を望まない。中国は武力に訴えるようなことをしてはならない」との主張を紹介している。

   中国の温家宝首相は米国時間9月23日、国連総会で演説。国家主権や領土保全について「屈服も妥協もしない」と語った。中国の姿勢を国際社会に改めて示した格好だ。日中の関係改善の糸口もいまだ見えないまま、周辺諸国の心配は続く。

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