カラオケでどこまで息長いヒットになるか
「よくわかる音楽著作権ビジネス 実践編」などの著書がある北海道大法学部の安藤和宏・特任教授によると、基本的には個別の契約次第だが、大まかな傾向として次のようなことが言えるという。作詞家と作曲家にはそれぞれ1.5~2%、いわゆる歌い手のアーティスト印税が1~2%というケースが多いそうだ。
絢香さんの過去の3枚のアルバムは、100万枚超え2枚を含み、累計300万枚を超えている。これにシングルも含めれば、作詞を中心に作曲も手がける絢香さんには、すでにCD関連だけでざっくりした試算で3~4億円が入った可能性がある。
もっともこれは「過去」の話で、今後も以前発売したCDが同じペースで売れ続ける可能性は低い。安藤教授は「過去の作品でどれぐらいの印税収入になるのかは、今後カラオケでどこまで息の長いヒットになるかにかかっている」と指摘する。大ヒットした曲が必ずしもカラオケ人気曲として生き延びることができるわけではない、ともいう。
カラオケ総合サイト「うたウガ」の09年カラオケランキングをみると、絢香さんの06年作品の「三日月」が10位に入っている。ちなみに「年1200万円」の高橋ジョージさんは、ランキングに入っていない。絢香さんは、「年1200万円」を大きく上回る印税を手にするのだろうか。もっとも、高橋さんのケースは、レコード会社などに所属しない形で楽曲をつくったため、「取り分」が絢香さんとは大きく異なっている。