「B型」選手権に「田中さん」対決 不振の公営競技は企画で勝負

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「鈴木vs吉田選抜戦」に「還暦鉄人戦」

   福岡県の「飯塚オート」も、企画レースを実施した。2009年2月17日の第9レース、出走する8人のレーサーは「田中耕三」「田中正樹」「田中進」など全員の名字が「田中」で、このレースは「田中選抜」と名づけられた。飯塚オートに聞くと、田中姓の選手が多くそろったのは偶然だったようだが、出走の組み合わせを決める際に「せっかくだから『田中だけ』のレースにしてはどうか」と実現した。ユニークな企画が注目を浴び、その後テレビ番組で2、3回このときの模様が取り上げられたそうだ。

   「2匹目のどじょう」をねらったのか、2010年2月17日には鈴木姓と吉田姓を4選手ずつ混ぜての「鈴木vs吉田選抜戦」、さらにはオートレース誕生60周年に引っ掛けてレーサー全員が60歳を迎える「還暦鉄人戦」を開催。ただ現時点では、観客数や売り上げ増加につながったという目に見える効果は、まだ出ていないと言う。

   競艇やオートレース、競輪、地方競馬といった公営競技は数年来、慢性的な営業不振が続いており、廃止に追い込まれる競輪場や競馬場も少なくない。テコ入れをしたくても先立つものがないだけに、すべてはアイデア勝負。「少しでも話題になれば」と、関係者は祈るような気持ちで企画しているのかもしれない。

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