過去最高となるタバコ値上げが迫るなか、スーパーやコンビニなどでのタバコの万引きや、民家に強盗が押し入りタバコを盗む、といった犯罪が2010年9月に入り急増している。警察はタバコ店に対し警戒を呼び掛けている。
タバコまとめ買いの女性のアパートに侵入
栃木県真岡市で47歳の無職の男が同市内のスーパーからタバコ2カートン(7000円相当)を盗んだ疑いで9月26日に逮捕された。読売新聞が9月27日付けで報じた記事によれば、レジ横に陳列していたタバコを手に持ったまま店外に出て店の従業員に取り押さえられた。男は「タバコが値上がりする前に盗んでおきたかった」などと供述しているという。
このほかにもタバコの値上がりが原因で起きたと思われる事件が2010年9月から多発している。9月24日には神戸市のタバコ店で25カートン(7万9000円分)が盗まれているのがわかった。この店は値上げ前のまとめ買い予約を受けていた。「駆け込み需要で在庫の多い時を狙われた」と店側は悔やんでいる、と毎日新聞の大阪版は報じている。
また川崎市では9月25日、59歳の無職男が女性調理師のアパートに侵入。居間のタンスの中からタバコ51箱を盗んだ容疑で逮捕された。このタバコは女性が値上げを前に買いだめしていたものだったという。
少年によるタバコの万引きも相次ぐ
9月は少年によるタバコの万引き、強盗に関する報道も相次いだ。16日には大阪府内の高1年の男子生徒(16)がタバコ10カートンをコンビニで万引き。宮崎県では14日、高校3年の男子生徒(17)がスーパーに侵入し、たばこなどを盗もうとした疑いで逮捕された。
10月1日から現在300円の「マイルドセブン」が410円に。同じく300円の「セブンスター」が440円になる。毎日1箱吸う人ならば年に約4万円の支出増になるなど負担は大きい。万引きや強盗などのニュースが多くなっているのは、値上げと無関係とは思われない。
全国のタバコ販売店で組織されている全国たばこ販売協同組合連合会によれば、タバコの万引きや強盗事件が相次いでいるため、警察から連合会の地方組織に対し、警戒してほしいという通達と共に、捜査に協力してもらえるよう依頼が来ているという。