2018年までに販売3倍増 VWの野心的目標は可能か

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   エコカー減税対象車を増やした効果で新車販売が大幅に伸びているフォルクスワーゲン(VW)。そのVW販売体制が大きな変革期を迎えている。独VWが2018年までの長期計画で設定した、18年の新車販売目標は11万台。この目標値は09年実績である38000台の2.9倍であり、2000年代前半までのスバル車の年間新車登録台数と同程度となる。日本のVW勢にとって10万台超えは未知の領域だ。

   トヨタ自動車のDUO事業撤退に伴うVW車の販売体制の再構築や、VW販売店が今後の車種や管理顧客の増加に対応しきれるかどうかなどの課題も浮上している。

正規販売チャンネルの「股さき」解消

   VWの日本法人フォルクスワーゲングループジャパン(VGJ)が本国から与えられた将来目標は、日本で外国メーカー車の新車販売シェア1位を守り続けることではなく、国産車を含めた新車登録市場で日本車の中堅メーカーと肩を並べることとされている。

   日本市場で輸入車は、登録車市場の5~8%程度しかなく、その小さな市場の中で他の外国メーカーと争っているだけでは、従来以上の販売台数とはならない。日本メーカーが海外で販売台数を伸ばしたように、VWは日本市場で日本車を相手に販売成長することを目指している。

   そのためにはVGJは、これからVWが日本に投入する車種を確実に売りさばける体制を構築し、8年後の年間11万台の販売達成に向けた準備を進める必要がある。だがそこにはトヨタという大きな障害があった。

   これまで日本でVW車の正規販売チャンネルは、VGJと契約したVW店によるVW販売網とトヨタと契約したDUO店によるDUO販売網の2つが存在してきた。DUO店はトヨタ車の販売会社がVW事業を行うために出店した店舗であり、VW正規販売店250店のうち過半数の134店を占めた。このためVGJが全国統一の販売促進キャンペーンを企画しても、DUO店の協力が得られずに足並みが揃わないこともあったという。

   ところが転機が訪れた。09年末にVWとスズキが提携を発表したこともあり、トヨタは10年末でVWとのディストリビューター契約を終了し、同時にDUO店は消滅することになった。トヨタ販社が11年以降もVW事業を継続するには、トヨタではなくVGJと契約を結んでDUO店をVW店に切り替える必要がある。

   8月にはDUO店を持つトヨタ販社88社のうち80社が、DUO店をVW店に移行させることを選択し、VGJと契約。この移行作業は9月から順次始まっている。一方、VW事業の継続をあきらめた8社が持つ販売責任地域やDUO店は、継続を選んだ近隣のトヨタ販社や既存のVW店が引き継ぐことになり、VW車を販売する250店舗体制は存続する見通しとなった。

   VGJにとっては、自分たちの言うことを聞く販売店が倍以上に増えることになったが、新たな問題が発生した。

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