菅直人首相が国連の日本語演説で漢字を読み間違えた。「疾病(しっぺい)」を「しつびょう」と読んだのだ。元厚生大臣としてあるまじき失態という人もいる。
「未曾有(みぞう)」を「みぞうゆう」と間違うなどした麻生太郎・元首相のときは、マスコミから「首相の資質」を問われ続けた。菅首相も「資質」に疑問符を投げかけられるのだろうか。
「疾病(しっぺい)」を「しつびょう」
「当分、みぞうゆう(未曾有)と並べられるよ」。2010年9月24日、情報番組「みのもんたの朝ズバッ!」(TBS系)で、司会のみのもんたさんは、菅首相の読み間違いについてこう評した。
菅首相は9月23日(日本時間)、国連での演説で「疾病(しっぺい)」を「しつびょう」と読み間違えた。自らが提唱した「最小不幸社会」の説明のさいの出来事だ。映像をみると、菅首相は原稿を見たり前を見たりして演説したが、間違った箇所の前後では、比較的長く原稿に目を落としていた。
みのさんの24日の番組では、読み間違いを大きく伝えた日刊スポーツを紹介する形で取り上げた。毎日新聞の与良正男論説委員は、「『しっぺい(疾病)』は読めないといかんね。(菅氏は)元厚生大臣なんだから。(旧厚生省として)重要な用語」と皮肉った。
ほかには読売新聞が、23日深夜に短くネット配信した(24日付朝刊東京最終版には掲載されていない)以外は目立った報道は見当たらない。
ネットでは、動画投稿サイト・ユーチューブ(YouTube)や2ちゃんねるなどで話題となった。麻生元首相の読み間違いのときは、ワイドショーなどもこぞって批判したことを指摘し、「菅総理も当然たたくよね」「公平にやってくれ」と、マスコミの「政治的中立」を問題視する書き込みも目立つ。「麻生が間違えたときは、民主党は鬼の首でも取ったかのように大はしゃぎだったな」との指摘もある。
実際、2009年1月には、参院予算委員会で、民主党の石井一氏が、麻生首相(当時)に対し、「読めますか?」と「漢字テスト」をしたこともあった。