大学側要請ににじむ危機感
「就活早期化見直しの動きは、商社以外でも今後出てくるのではないか」。ある大学関係者はこう期待を口にした。
企業と大学側の代表者でつくる「就職採用情報交換連絡会議」が9月14日開かれ、来11年度の就職・採用活動に関する合意事項を確認した。恒例行事で、ほとんど「お決まり」の文言が続くが、複数の関係者によると、今回は大学側団体「就職問題懇談会」の企業側への「要請」が、「これまでより強い危機感を表明した内容」だという。
企業側の早期化防止の取り組みについて、結局実態は是正されていないと指摘し、「大学教育への深刻な影響を、これ以上看過することは忍び難い状況です」と訴えている。
ある商社関係者も、「14日の連絡会議の話を受け、商社以外にも見直しに向けた動きが出てくるのでは」との見方を示した。「例年より強い危機感をもった大学側からの要請」を受け、企業側も重い腰をあげるのでは、というわけだ。
もっとも、ある大手金融機関に話を聞くと、「(採用時期を遅くする取り組みは)今のところ検討していない」との回答だった。就活早期化見直しに向けた動きは出始めたものの、急展開・拡大するかどうかは未知数のようだ。