りそな公的資金返済 「破格の好条件」の裏側

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   2010年8月末に公的資金4000億円を返済したりそなホールディングス(HD)。2009年から、国が保有する優先株の買い取り価格について金融庁や預金保険機構と交渉してきたが、国民負担を避けるための元本への上乗せ(プレミアム)は6.4%とすることで決着した。

   過去にメガバンクが公的資金を返済した際には、2~3割の上乗せを求められたこともあり、銀行業界からは「破格の条件」をうらやむ声も出ている。

大手行からは「我々の時と雲泥の差。うらやましい」

   りそなは2003年に実質国有化され、この際、約2兆円の公的資金の注入を受けた。国有化前に注入されていた約1兆円と合わせ、ピーク時には3兆1280億円に上った。国有化前の約1兆円分はほぼ返済したが、額が大きい国有化時の公的資金は手つかずで、返済スタートは悲願だった。

   国民負担を出さないために一定の上乗せ返済を求める国と、11月に新たな経営健全化計画の提出を控え、夏の間に条件を固めたいりそなの交渉はなかなか折り合わなかった。

   しかし、りそなは注入された額が大きいため、「国が過去にメガバンクに求めたような高いプレミアムでは財務的な負担が重過ぎる」との主張に国が譲歩。りそなが4000億円分の優先株を4257億円で買い取ることで合意した。

   すでに2~3割を上乗せして公的資金の返済を終えた銀行からは、6.4%のプレミアムについて「我々の時と雲泥の差。うらやましい」(大手行幹部)とやっかみの声も上がる。ただ、株式市場が低迷する中、当局は「もうけが出るなら国民も納得するはず」(金融庁幹部)と判断。実質国有化から7年がたち、「そろそろ90年代以降の金融危機対応に区切りをつけたい」(他の金融庁幹部)と早期返済を優先する空気も強かった。

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