マンガ界ヒット作品復活ブーム 新人作家を育てられない悩み

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   大人気マンガでアニメ化、実写映画化もされた「キャッツ・アイ」が、「キャッツ・愛」として25年ぶりに連載が復活する。このところマンガ界では過去のヒット作の続編を掲載する「復活ブーム」が起こっているが、果たしてファンの支持を再び得ることができるのだろうか。

   「キャッツ・アイ」は、「週刊少年ジャンプ」で1981年から85年にかけ連載され、単行本は18巻、トータルで1800万部以上売れた大ヒットマンガ。美人3姉妹の怪盗がレオタード姿で登場し、アクションあり、謎解きあり、恋愛ありの活躍を繰り広げる。最近ではお笑いトリオ「森三中」がレオタード姿の「キャッツ・アイ」の3姉妹になり「toto BIG」のCMに登場し話題になった。

「GTO」や「クレヨンしんちゃん」も

   「キャッツ・アイ」が復活するのは10年10月25日に発売される「月刊コミックゼノン」創刊号。もともとはマンガ家・北条司さんの作品だが、新作は北条さんが原作者となりマンガ家の阿佐維シンさんが作画を担当する。8月13日には出版社のコアミックスが3姉妹のイラストを公開。オールドファンの注目を集めた。

   今回の「キャッツ・アイ」の復活に関してネットでは、期待で胸を膨らませるファンがいる一方で、「なぜ今になってキャッツ・アイなのか?」といった意見が交錯している。「キャッツ・アイ」に限らず、ここのところマンガ界では過去のヒット作の新作を掲載する「復活ブーム」の様相になっている。

   例えば、09年6月には「週刊少年マガジン」で、テレビドラマ化もされた「GTO」が7年ぶりに復活。「スーパージャンプ」で連載された江川達也さんの人気漫画「GOLDEN BOY」が9月15日発売の「ビジネスジャンプ」で13年ぶりに復活する。

   ほかにも「月刊少年マガジン」で連載されていた「修羅の門」が同誌の10年10月発売号から13年ぶりに「修羅の門 第弐門」で復活。「週刊少年チャンピオン」で連載されていた「恐怖新聞」の続編「キガタガキタ!~『恐怖新聞』より~」が35年ぶりに10年7月から同誌で連載を開始した。

   また、先に挙げた作品とは趣旨が異なるが、「月刊まんがタウン」の連載「クレヨンしんちゃん」は作者の臼井儀人さんの急死により10年2月発売号で連載が終了したが、8月発売号から臼井さんのスタッフの手によって「新クレヨンしんちゃん」として連載をスタートさせた。

知名度の高い作品に安心感

   どうしてこんなに過去のヒット作の復活が続くのか。総合出版社の編集長によれば理由は3つあって、一つは売れるかどうか分からない作品をスタートさせるよりは知名度の高い作品を復活させる方が安心感を得られる。若い層がマンガを買わなくなっていることから「大人にも分かるマンガ」を出そうとしている。そして、

「我々制作側の問題として、才能ある新人を発掘し、作品を生み育てるというバイタリティーがなくなっている。それは反省すべきことなんです」

と打ち明ける。編集長によれば、過去の大ヒット作品を復活させればニューとして取り上げられるものの、読者は出版社が考えているよりも先に進んでいて、シラケている場合が多い、と見ている。ハリウッド映画で過去のヒット作品をリメイクして失敗したことが日本のマンガ界でも起きる、とし「負のスパイラルに入らなければいいが・・・」と心配している。

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