「クーポン共同購入」が大人気 「グルーポン」筆頭に専門サイト続々

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

   特定地域のレストランや宿泊施設、エステなどの割引サービスを受けたいという希望者を募り、制限時間内に一定人数が集まれば割引クーポンが発行される。こんな「クーポン共同購入」が大人気だ。割引額が50%以上と、既存のクーポンよりお得感のあるものも目立つ。

   こうしたやり方は、情報を発信すれば瞬時に大勢を集客することから「フラッシュマーケティング」と呼ばれる。規模を問わず企業から注目を浴びており、新規参入が相次いでいる。

「グルーポン」優位いつまで続く?

クーポッドのセレクト基準は、感動体験。花火見物クルージングのクーポンを発行したことも
クーポッドのセレクト基準は、感動体験。花火見物クルージングのクーポンを発行したことも

   クーポン共同購入サイトは、2008年11月に米企業グルーポンが始めたため、「グルーポン系サイト」ともいう。国内では10年春ごろから続々とオープンし始めた。

   現在、最も成功しているのが、「クーポッド」だ。10年7月2日からクーポンの販売を開始して以来、2か月連続で売り上げ日本一を達成した。1500円分の音楽をダウンロードできるiTuneカードを80%引きの300円で販売したところ、1万人が購入するなど爆発的な人気となった。9月16日時点で、東京、大阪、愛知など12都市にサービスエリアを拡大、売り上げたクーポンは5万枚以上、割引総額は1億5000万円に迫る。

   8月には本家のグルーポンに買収され、知名度はうなぎのぼり。ツイッターを利用しない層にも知られるようになった。注目度の高さは、クーポン成立の確率とある程度比例するため、有利な立場を確保している。だが、追い上げも急だ。

オタク、焼肉、高額商品…、特化型も登場

   無料クーポンマガジン「ホットペッパー」を発行するリクルートは2010年7月から「ポンパレード」を、飲食店検索サイトの大手「食べログ」を運営するカカクコムは同9月から「食べログチケット」をそれぞれ開設した。高級ホテル・旅館の格安予約サイトを運営する一休も10月下旬を目処にグルーポン系サイトをオープンすると発表している。

   こうした企業はレストランや宿泊施設との付き合いが長く、運営ノウハウを身につけている。また、大量に会員を抱えているので、一気に逆転する可能性もある。

   また、新規参入する企業の中には、狭い分野に特化するケースも出てきた。焼肉店のクーポンのみを扱う「焼きニクーポン」、オタク系店舗のみの「ヲタポン」、高額商品のみを取り扱う「ルクサ」などだ。サイトを訪問すれば好きなジャンルのサービスがいつもお得に受けられるので、一定の固定客が見込める。

   現・王者クーポッドの広報担当者はこの状況に、「弊社が提供するクーポンは、サービスを実際に体験してもらったときの満足感を重視して厳選しています。一度信頼を得れば、また利用してもらえるはず」と余裕の表情だ。今後はサービスエリアを拡大するとともに、より細分化して、地元密着型を強化していく方針だという。

イベントやセミナーの参加募集にも広がっていく

   乱立するクーポンサイトのその日のサービス内容を一覧できる「まとめ」サービスも登場した。現在十数に及ぶまとめサイトの先駆けが、サイブリッジが運営する「オールクーポンジャパン」。同社の社員4人が、2010年6月15日夜10時にツイッター上で知人のつぶやきを見た。グルーポン系サイトがあまりに多いので、すべての当日クーポンを抜き出して、という希望で、翌朝5時半にはサイトをオープンしてしまった。9月16日時点では46サイトをウォッチし、自動更新を行っている。

   開発メンバーの1人で、グルーポン系サイト全体の盛り上がりを見てきた同社役員の遠藤彰二さんはこう予測する。

「グルーポン系サイトは集客が命ですから、サイト数が増えればそれが難しくなります。今後はビール1杯程度の少人数でも発行できる低額サービスが出てくるのではないでしょうか。また、瞬時に集客できるという特性をうまく使って、イベントやセミナーの参加募集など、買い物以外の用途も広がっていくと思います」
姉妹サイト