119番通報しなかった理由の一つが「子ども」
同番組で取り上げられた、矢田さんと押尾被告の子どもの話題は、押尾被告の裁判でも何度も登場した。9月13日の第6回公判で、男性裁判員から「今1番会いたいのは」と尋ねられ、押尾被告は「息子です」と答えた。14日の第7回公判でも、検察側は、押尾被告が女性の容体急変について119番通報しなかった理由について、「自分のMDMA使用が発覚し、仕事を失ったり子どもに会えなくなるなどと恐れ(略)」と指摘した。押尾被告が息子にこだわりを見せていることが伺える。
また、13日の公判では、事件当日、薬物セックスの後、矢田さんとメールのやりとりをしていたことも明かされた。当時、「別居生活」ながらも夫婦間のコミュニケーションがあったことが分かる。
「死にもの狂いで無罪を取る」。そんな押尾被告の「獄中手記」の一部が8月に女性誌「エッジ・スタイル9月号」に掲載された。その訴えは、自分自身へのものだったのか、それとも「家族」への宣言だったのだろうか。
9月17日、東京地裁は押尾被告に懲役2年6か月の実刑判決(求刑は懲役6年)を言い渡した。焦点となっていた保護責任者遺棄致死罪は「致死」の部分が認められず、保護責任者遺棄罪が適用された。