民主党代表選に再選した菅直人首相が続投して「よかった」と思っている人が81%もいることが、日本経済新聞の緊急世論調査でわかった。内閣支持率も71%に上昇し、内閣発足時(68%)をも上回った。
また、2010年9月16日付の朝日新聞でも、菅首相の続投を72%が「よかった」と答えている。7月の世論調査では内閣支持率が30%前半まで落ち込んで、参院選に大敗を喫したにもかかわらず、「反小沢」の声を味方につけて急激な回復を果たした。
国会議員票との乖離、改めて浮き彫り
それにしても、菅首相で「よかった」と思っている人が81%とは相当高い数字だが、産経新聞が8月下旬に行った世論調査では、首相にふさわしいのは菅氏60.1%、小沢氏16.4%だった。また9月初旬の読売新聞の調査では、59%が菅首相を支持しており、この時点ですでに菅首相が圧倒的に優勢だった。
代表選の結果は、いわば民意のとおりに収まったことになるが、得票差が小さく勝負がもつれた国会議員の投票が、国民の声といかにかけ離れているかを改めて浮き彫りにした。
とはいえ、必ずしも菅首相の続投を81%の人が手放しで「歓迎」しているわけではないようだ。日本経済新聞が「菅首相でよかった」と答えた人にその理由を聞いたところ、「首相が頻繁に代わるべきではない」と考えている人が72%、「小沢氏に首相になってほしくない」が46%を占めた。「小沢氏を重要な役職に起用すべきではない」と回答した人も61%に上った。
一方で「政策がよい」「指導力がある」はいずれも4%しかなく、菅首相の評価は低い。世論には小沢氏に対する強い反発があって、その中であくまでも「小沢氏より、菅氏のほうがまし」というだけの、消極的な結果でしかない。
9月16日付の日経の見出しには、「政策・指導力より『反小沢』」とあるが、それに尽きる。