民主党の馬淵澄夫議員がブログで「菅首相支持」を表明したところ、コメントが殺到、炎上した。コメントには「がっかりした。もう応援しません」などというかなり辛らつなものが多く、小沢一郎前幹事長の支持者が多いとみられる。
民主党の代表選はいよいよ明日、2010年9月14日投票。菅陣営、小沢陣営はそれぞれ、態度を明らかにしていない国会議員への働きかけに奔走している。
「政治家一人ひとりが自立的な選択者であるべき」
馬淵議員が自らのブログ「まぶちすみおの『不易塾』日記」で「菅首相支持」を表明したのは2010年9月2日のこと。ブログによると、馬淵議員はそもそも派閥間抗争のような、早期の囲い込み運動には与すべきではないと考えてきたという。
2009年5月に野田グループを離れたと明かし、「新しい政治を目指す民主党において、派閥・グループの存在そのものが民主党において旧来の政治回帰を指向せざるを得ない状況をつくっていると実感したからだった」としている。以来、どこにも属さず、かつ派閥活動は行わないと決めた。今回の代表選でも、「政治家一人ひとりが、自立的な選択者として判断し行動すべきである」としごくまともなことを訴えている。
そんな想いから、小沢氏と菅氏が示した政見と決意表明、質疑応答をじっくりと見て、判断したのが「菅首相」。「政策比較で、大きくは経済政策、政治改革、行財政改革、税制の抜本改革について、具体的な施策の深化を示している」という。
ただ、詳しい説明は後日行うとしているが、9月13日時点で、ブログは更新されていない。
コメント915件「できる限り公表した」
馬淵議員のブログに寄せられたコメントは、9月13日までに915件。「菅首相支持」を評価するコメントがないわけではないが、「残念」「がっかり」といったコメントが多く目につく。馬淵議員の事務所では、「ネガティブなものもありますが、できる限り公表しています」と話している。「炎上」にも「淡々と対応しています」という。
コメントは、かなり辛らつだ。
「あなたは将来の民主党をになう素材だとおもっていたが、きのうの共同会見を聞いた後に、菅首相を支持すると決断するその頭脳構造にはがっくりした。」
「がっかりしました。あなたも弱者切り捨ての財務官僚のいいなりですか。もう応援しません。」
「私は党員・サポーターでも何でもないですが、今日の討論を見て、菅総理にはかなり失望しました。具体的な政策も小沢氏の方が上回っているように感じました。あの討論を見たら、菅さんを支持する事は難しいと思います。」
馬淵議員が9月12日に、地元・奈良県で開いたシビック・ミーティングでも、小沢氏の支持者が散見された。馬淵議員の後援会事務所によると、「馬淵議員のブログがすごいことになっているというのは(後援会も)聞いていましたし、おそらく会場に(小沢氏の支持者が)いることは認識していたと思います。ただ、ブログにもあったように、裏表なく政策などを考えた結果、菅さんへの支持を決めたと伝えていました」と話す。