導入には慎重な自治体も出る?
福岡県警としても、自治体へ該当会社を通報してから自治体による発表までに時間がかかる場合があるため、その間に他自治体の工事に該当会社が下請けに入ることを防ぐ意味もあり、県警サイトでいち早く公表することにした。
福岡県財産活用課によると、会社名公表の「下請け」への拡大は、2010年8月に工事請負契約条項を改定したことを受けた措置だという。同県では、県暴力団排除条例が4月に施行されるなど暴力団対策が進んでいる。
全国暴力追放運動推進センター(東京)の担当者は「全国に広がってほしい取り組みだ」と評価した。一方、国土交通省のある担当者は、「下請け会社名の公表、排除措置」について、「元請けと下請けとの契約は、民間対民間なので、行政側は直接踏み込めない、という発想もある」と指摘し、「積極的だと評価する声もあるだろうし、導入には慎重な自治体も出るだろう」と話した。
別の国交省担当者は、福岡県には、全国で22団体ある指定暴力団のうち、福岡県には最多の5団体があることが、地元の積極的な取り組みの背景にある可能性を指摘した。ちなみに「2位」は4団体の東京だ。福岡県の担当者は、「指定暴力団が県内に多いことは意識しており、積極的に対策を進めたい」と話している。