小池栄子さん夫妻2.8億円提訴 報知新聞「離婚危機」報道巡り

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「名誉毀損だけでなく、業務妨害に対する賠償も含んでいる」

   今回の2億8000万円の請求額は、かなり高額にも思えるが、専門家の目にはどう映るのだろうか。いずれの専門家も「訴訟の詳細は不明なので一般的印象」と断った上で答えた。

   「報道被害」(岩波新書)の著者、梓澤和幸弁護士は「仮に米国のような報道への懲罰的慰謝料という趣旨を含んでいるとすれば、表現の自由という観点からは見過ごせない」と懸念を示した。「もっとも、一方的報道に厳しく対処すべきという流れもある」とも指摘した。

   また、「名誉毀損裁判」(平凡社新書)の著者、浜辺陽一郎・青山学院大法科大学院教授は、「企業への信用毀損で数億円の賠償の判決は出ており、そうした観点を含んでいるのかもしれない。しかし、今回のケースでは印象としては高い請求かな、という感じはする」と話した。「名誉毀損の賠償額はまだ低いので、高くしていこうという努力の部分もあるのかもしれない」とも付け加えた。

   名誉毀損案件に詳しい御器谷修弁護士は、「一見破格な請求にも見えるが、目くじらを立てて批判する話ではない」と話した。

   一方、夫妻側の担当弁護士、秋田一恵弁護士は「決して不当に高額なわけではない」とし、その理由を以下のように述べる。

   名誉毀損だけでなく、業務妨害に対する賠償も含んでいる。例えば、夫妻は「おしどり夫婦」のイメージで得ている仕事もあり、それへの影響が出たという点。また、関係者が1人ではなく、夫妻それぞれと事務所と計3者いる。それに加え、「当事者に反論機会を与える取材の申し込みすらしていない」「離婚の危機、債務、店の経営見通し、いずれの報道も間違い」など「悪質な取材に対する加算」という趣旨も含んでいる、と説明する。裁判に至らずに事態を改善できないか、事前に報知側と話し合いをしたが「開き直った態度だった」という。

「報道を萎縮させる意図など毛頭ありません。むしろ、プロとしてきちんとした取材をするべきだ、という当たり前の事に目を向けるきっかけにはなって欲しい」
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