愛知県で、33歳の母親が14歳の長女にシンナーを与えたとして、逮捕・起訴された。公判では、長女が何と2歳の時から5歳ごろまでシンナーが与えられていたことが明らかになっている。
三重県警四日市南署は2010年7月5日、愛知県西尾市在住の無職の女(33)を毒物及び劇物取締法(シンナーの知情授与)の疑いで逮捕した、と発表した。
当初母親は容疑を否認
発表によると、女は10年6月15日23時頃、14歳の長女=同法違反容疑で書類送検=に対して、吸引するのを知りながら、トルエンを含むシンナー125ミリリットルを与えた疑いを持たれている。
四日市南署によると、6月に長女を検挙した際に入手経路を追及したところ、母親の関与が明るみに出たという。
地元紙などの報道を総合すると、長女は母親の元夫(父親)と、三重県四日市市に同居。長女が母親の家から帰宅後、シンナーを吸っていることに元夫が気付き、6月16日未明、四日市南署に通報した。同署の調べでは、長女は、「5~6歳からシンナーの吸い方を教わった。(母親の家に)遊びに行った時も一緒に吸った」などと供述したが、母親は容疑を否認したという。
シンナーを5歳の時まで与える
母親はその後起訴され、9月7日に津地裁四日市支部で開かれた初公判では、検察側は新たな事実を指摘した。起訴状では、母親が長女に与えたとされるシンナーの量が20ミリと警察の発表よりも少なくなった一方、検察側は冒頭陳述などで、「母親は、長女が2歳の時、誤って吸ったのをきっかけにシンナーを吸わせるようになった。5歳の時まで与えた」などと指摘。母親も起訴事実を認めた。
警察庁生活安全局少年課の調べによると、少年がシンナー等の摂取・所持で送致される件数は減少の一途。00年には3417人いた送致人数が、09年には385件と約1割に減少。その中でも、中学生は44人で、そのうち女子は29人だ。それだけに、この事件の異様さが浮き彫りになっている形だ。