「周波数帯の違いで他社より通じにくい」
携帯が使えないという指摘について、ソフトバンクでは、どう考えるのか。
同社の広報室では、山中などでつながりにくい状況があることを認めたうえで、こう説明する。
「電波状況には、携帯キャリアごとに割り当てられている周波数帯によって違いがあります。基地局の数そのものは他社に比べて少ないということはなく、つながりにくい主な要因には、このことがあると考えています。山中では、どうしても電波状況に違いが出てきてしまいます」
ソフトバンクの孫正義社長は、2010年3月28日のイベントで、こうした状況を改めようと、電波改善宣言を発表している。広報室によると、周波数帯の問題を克服するには、基地局を他社以上に増やさなければならない。このため、宣言では、その時点で6万か所あった基地局を山中も含めて1年後に倍増させることを打ち出した。その結果、7月末までに2万6000か所の設置が決まり、今後順次工事に入るという。
また、宣言では、自宅やオフィスなどで電波が入らない人に、小型基地局となるホームアンテナを無料で配る、とした。広報室によると、申し込み数は約3万件と順調で、順次設置しているとしている。
それでも、CMに金をかけて十分な設備投資をしていないとの批判も多い。しかし、広報室では、「今年度は、基地局設置を含めて4000億円をかけています。コストをかけていないということはありません」と説明している。
なお、共同通信の広報担当者は、本社デスクがソフトバンクの携帯が使えないというメールを送ったかなどについては、社内の業務連絡用のため内容については答えられないとしている。ただ、事故取材では、ソフトバンク携帯が原因かは分からないとしながらも、山中であったため、携帯がつながりにくい状況はあったという。