任期満了を4か月後に控えた宮崎県の東国原英夫知事の去就に注目が集まっている。「東京都知事への出馬を狙っている」などとするスポーツ紙の記事に対しては「ちょっと憤っている」とする一方、出処進退については県議会9月定例会の「後半にならざるを得ない」と態度を保留。議会側では、序盤の代表質問の段階での表明を求めており、議会との対立の火種にもなりつつある。
東国原知事の任期は2011年1月20日に満了。知事選は10年12月9日に告示され、26日に投開票される。10年8月27日には、口蹄疫の「終結宣言」が出され、県内の畜産業の復興は始まったばかりだ。まさに復興の途中で任期切れを迎えるだけに、東国原知事が「2期目をどうするか」に注目が集まっている。8月27日のスポーツ報知は、「東京都知事選への出馬を検討している」と報じ、8月31日の定例会見では、2期目出馬に関する質問が相次いだ。
「大淀川河畔を走りながら決めたい」
前出のスポーツ紙の報道については、
「新聞がどうしてあのタイミング書き立てたのか、心外というか、ちょっと憤っている」
と話す東国原知事だが、出処進退を明らかにする時期については、
「今まで(口蹄疫の問題で忙殺されていて)考える余裕がなかったので、これから、腰をおちつけてゆっくり熟慮したいと思っています。やっと、それを考えられる時間と余裕が肉体的にも精神的にもできたので、ちょっと、大淀川の河畔を走りながら決めたい。なので、僕に『もう決めましたかー!』って言うときには、大淀川の河川敷で待っててください。発表は議会でします」
と、ややおどけた様子で、9月の定例会で何らかの考えを明らかにすることを明言。定例会は9月3日に開会し、10月12日に閉会する予定だ。具体的な時期について、
「(表明は、委員会ではなく)本会議という認識です。閉会日も、本会議ですからね。代表質問も一般質問もありますし、時間的に後半にならざるを得ないかなーと思っています。大変申し訳ないですけれどね。代表質問や一般質問の間は、心の整理がつかないと思う。閉会日までには、確実に皆さんにお示ししたい」
と、本会議が開かれる9月24日、29日、10月12日のいずれかになるとの見方を示した。
県議会は8日の代表質問で表明求める
これに反発しているのが、議会側だ。議会側は(1)知事の進退は、通常ならば代表質問で答弁が行われる(2)出馬しない場合、口蹄疫関連の質問内容が変わってくるなどとして、9月8日の代表質問で出処進退を明らかにすることを求めている。東国原知事は、やはり9月8日の表明は困難だとの考えだが、議会側は、議会最終日に知事が発言を求めたとしても認めない方針だ。知事は9月6日に県議会の中村幸一議長と会談した際、報道陣に
「言論に対して、どういうことになるのか」
と、不快感を示している。これからの1か月あまり、知事と議会との綱引きが続くことになりそうだ。