「内定辞退強要は一切なく、本人の意思」
本職のアナウンサーでも弱音を吐いたのに、本当に、大学生ぐらいの若者が35秒ほどで「くら社員三誓」を暗唱できるものなのか。
この点について、アイウィルの広報担当者は、こう説明する。
「毎日、40~60分間きちんと練習すれば、個人差はあるものの、1か月から1か月半でできるようになりますよ。新入社員や管理職、一般職員が研修で取り組んでおり、社員の方はいつも全員合格されます。練習を積めば、18秒、20秒でも言えるようになります」
研修の目的は、仕事の基本になるものをいつも練習して、それをすぐに行動に移せるようになることだという。餃子の王将の研修とは、大きな声できびきびと行動できるようにする点で共通しているとする。
「半年も毎日やれば、どんなことでも習慣になります。小さなことでも、約束して続けていくことが大切です。仕事の基本は、礼儀やあいさつにあり、できない新入社員が多いので基本から入るのです。漢字の読み書きや計算などもできない方も、たくさんおられるのですよ」
くらコーポレーションの内定者研修については、「社員用をアレンジされたことがあるかもしれません。しかし、うちは内定辞退を求めるよう差し向けたことはありません。くらさんも、社員を大切になさる会社ですので、そんなことはしていないと思います」と言っている。
報道内容について、くらコーポレーションの広報・宣伝部では、「内定辞退を強要したという事実などは一切なく、ご本人の意思により辞退されることになったものです」と釈明。社訓暗唱についても、訴訟が起こされていることなどを理由に、説明を差し控えるとしている。
厚労省の若年者雇用対策室では、「個別の案件については、お答えしかねます」とコメントしている。