コーヒー「ウチ飲み」志向強まる スティックタイプにスターバックス本格参入

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   スターバックスコーヒーが、家庭用コーヒー市場に本格参入する。2010年9月から、4月に発売したスティックタイプのコーヒー、「スターバックス ヴィア(R) コーヒーエッセンス」などを、関東地区のコンビニエンスストアやスーパーで販売していく。

   景気低迷で節約志向が高まり、コーヒーも「ウチで飲む」傾向が高まっている。マーケティング調査の富士経済によると、スティックタイプにあたる商品の2009年の市場規模は223億円で、前年比21%増と伸び盛りの分野だ。

「おいしさ変わらぬ」とスティックタイプが好評

スーパーでもスターバックスの「味」が買える(写真は、相鉄ローゼン成瀬店)
スーパーでもスターバックスの「味」が買える(写真は、相鉄ローゼン成瀬店)

   スターバックスコーヒーが家庭用としてコンビニエンスストアやスーパーで販売するのは、「スターバックス ヴィア(R) コーヒーエッセンス」と「スターバックス オリガミ(R) パーソナルドリップコーヒー」、レギュラーコーヒーの3商品。その中で、主力といえるのが「ヴィア」。4月に発売されて以降、店頭だけでの販売で、8月までの4か月間に約1000万スティックを売った。

   スターバックスのような店舗販売のコーヒーは、近くにお店がなかったり、店舗に行く時間がなかったり、こだわりのコーヒーを飲みたいときに飲めないこともあった。スティックタイプであれば、その心配もなく、カバンやハンドバッグにも入るので、どこでも持ち運べる。味についても、お店で実施した試飲テストで「ヴィア」を飲んだ人のうち、約70%が「ヴィア」を購入したという高い数字になっており、多くの人がお店で淹れたドリップコーヒーと「ヴィア」との味の違いがわからなかったほどだったという。

   スターバックス・シーピージー・インターナショナル合同会社のディレクターのポール・クラフト氏は、「わたしたちは、スターバックスの香りや味を大切にしています。お店でも家庭でも、コーヒーのおいしさを損なわないような完成度の高い商品を提供しています」と語る。

   最近はオフィスで飲む人も増えていて、スターバックスの調べでは、「ヴィア」を購入した人の30%がオフィスで飲んでいるという。スティックタイプでは、味の素ゼネラルフーズ(AGF)の「ブレンディ」「マキシム」、ネスレ日本の「ゴールドブレンド」「エクセラ」「香味焙煎」など、おなじみのレギュラーコーヒーが手がけていて、家庭用やオフィス用として広がりつつある。

スターバックス初の「こだわり」のドリップ式

ギフト用に発売した「スターバックス オリガミ(R) パーソナルドリップTMコーヒー」(写真は、スターバックスのディレクター、ポール・クラフト氏)
ギフト用に発売した「スターバックス オリガミ(R) パーソナルドリップTMコーヒー」(写真は、スターバックスのディレクター、ポール・クラフト氏)

   さらに、全国の百貨店では「スターバックス オリガミ(R) パーソナルドリップTMコーヒー」をギフト商品として販売した。この商品は、スターバックスが味の素ゼネラルフーズ(AGF)の協力を得て、初めて手がけたドリップ式の家庭用コーヒーで、日本でのプロジェクトネームの「オリガミ」をそのまま商品名にした。「日本発」の商品として、世界に先がけて発売。今後、海外での販売も検討していく。

   コーヒーはお中元やお歳暮などのギフト用商品でもある。AGFとしても、「スターバックス」という、高級感のあるブランドの「オリガミ」を取り扱うことで、「AGFの市場拡大にプラスになる」としている。

   一方、インスタントコーヒー最大手のネスレ日本は、新製法の「挽き豆包み製法」を導入した新「ネスカフェ 香味焙煎」を9月1日から投入する。レギュラーコーヒーの香りと味わいを残しながら、高級感のある「ソリュブルコーヒー」として売り出す。家庭でふだん飲むコーヒーだからこそ、上質のコーヒーを楽しみたいというニーズは多く、高級志向に熱い視線を寄せている。

   家庭用コーヒー市場の次なるキーワードは「高級感」のようだが、これも激戦の様相だ。スターバックスのポール・クラフト氏は「限られた市場で争うのではなく、新しいプレミアムカテゴリーを創造することで、マーケットの拡大をめざしていきたい」と話している。

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