2010年夏、恋愛シミュレーションゲーム「ラブプラス」(コナミ)の舞台になった静岡県・熱海市にファンが殺到した。ホテル・旅館に宿泊するファンも多く、商店街では、関連グッズが入荷するとすぐに完売するといった状態で、地元では「特需」の効果に驚いている。
コナミは7月10日から8月末にかけて、地元商店街などと協力して熱海で「熱海ラブプラス現象(まつり)キャンペーン」を実施した。
スタンプラリーに3000人参加
熱海は「ラブプラス+」で女子高生の「彼女」との旅行先に設定されており、ファンにとっては特別な場所。期間中市内29か所にiPhoneで撮影すると、画面に彼女が表示される「ARマーカー」が設置された。これでデート気分を楽しむことができるという趣向だ。
市内6か所には、ゲームに登場する思い出の場所を回るスタンプラリー台を設置した。スタンプシートを配布している熱海駅前の観光案内所「熱海コンシェルジュ」によると、期間中3000人が訪れ、シートを受け取っていったという。
地元商店街では、手ぬぐいなどのオリジナルグッズを販売した。熱海市商店街連盟によると、16店舗がキャンペーンに協力。いずれの店舗でも好調な売れ行きだったという。担当者は、「手ぬぐいは入荷すると直ぐに売り切れてしまいました。オリジナルのかまぼこを販売した店も、大分売れたようです」と話す。
コナミからキャンペーンの話が来た当初は、本当に観光客が来るのか半信半疑だった。商店主は年配者が多く、最初は「ラブプラス」と聞いても「一体なんだろう」という感じだったという。
「こんなに多くの方が来てくれるのなら、もっと多くの店舗が参加すればよかったという思いもあります」