終身雇用や年功序列などの安定した椅子が残っている
『若者はなぜ3年で辞めるのか? 』などの著書がある人事コンサルタント・城繁幸さんも、「理系の方が年収高いというのは全くその通り」と語る。
城さんによると「理系の方が労働市場で競争力が高い」。日本を代表する企業と言えばトヨタやソニーといった製造業が中心となる。そうした企業には終身雇用や年功序列などの安定した椅子が残っていることが多いが、就職するには圧倒的に理系の方が有利だという
「2000年前後の就職氷河期では、早慶や東大の文系学生が全然就職できないのに、地方から教授の推薦状を持って出てきた『何とか工業大学』の学生が2~3日でソニーとかに内定を貰っていました。特に国立大学が強いですね」
例えば、2000年前後に早稲田の政治経済学部を卒業した人の場合。大手企業から内定を貰えずにベンチャー企業に就職した人の30歳現在の年収は「300~400万円」。一方、地方の国立工業大学を出て、ソニーやシャープに就職した人は30歳で約700万円。部品メーカーでも600万円ほどの年収になるという。
「理系は『技術』という形で企業が欲しがるものを持っているわけです。文系の学生は、自分でしっかり考えないといけないということでしょうね」
城さんは8月25日のブログでも同様のことを指摘。企業が採用人数を減らす際は、営業・管理部門から減らしていくこと、また、理系出身の営業や事務はいるが、その逆はありえないといった理由をあげ、「手に技術の付く理系の方が就職を考えるとおススメである」とまで書いている。