吉野家が280円「牛鍋丼」 「ひとり負け」脱出できるか

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   牛丼チェーンの低価格競争が過熱化するなか、吉野家が「戦略新商品」を投入することを発表した。発売されるのは、111年前の創業時のメニューの「復刻版」と位置づける「牛鍋丼」で、価格は牛丼よりも100円安い280円。競合他社が値下げキャンペーンで売り上げを伸ばすなか、減収が続く吉野家だが、低価格メニューの投入で「ひとり負け」の汚名を返上できるのか。

好調2社に対し17か月連続で前年割れ

新メニュー「牛鍋丼」を手にする吉野家・安部修仁社長
新メニュー「牛鍋丼」を手にする吉野家・安部修仁社長

   牛丼の低価格競争をめぐっては、吉野家が並盛で380円なのに対し、すき家は280円で、松屋は320円という価格を設定、吉野家の割高感が目立っていた。この3チェーンは、2010年7月下旬から8月上旬にかけて値下げキャンペーンを行ったが、すき家と松屋が並盛250円なのに対し、吉野家は270円だった。

   この結果、7月の既存店の売上高を見ると、すき家は前年同月比30.0%増、松屋も同5.3%増と大きな伸びを見せた。それぞれ、6か月、4か月連続で前年実績を上回っている。対する吉野家は、10.8%減で、前年割れは17か月連続。吉野家が値下げキャンペーンを行った7月28日以降でこそ、売上高が6~7割の伸びを見せたものの、通常価格の時期での落ち込みをカバーするには至らなかった。まさに吉野家の「ひとり負け」の様相だ。

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