高給取りの指摘の中でも、24時間ストに突入
日本テレビは、一時赤字に転落したものの、その後黒字となり、2010年4~6月期連結決算で、純利益が2倍近くの大幅増益になった。番組の間に流すスポット広告が回復したためだ。
こうしたことから、労組側は、増益するなど業績は回復しているとして、新賃金制度に「不利益変更だ」と反発。5月に2時間のストを行い、局側も7月導入を見送って、8月31日に再度交渉した。
しかし、それでも労使が合意しなかったことから、労組が9月1日正午から24時間ストライキに入った。民放労連本部によると、先ごろ終わった24時間テレビとの関係は分からないが、この一大イベントが終わったのでスト入りしたという。同本部では、「各局に波及させないようにするためにも、日テレ労組を支援しています」と話す。
もっとも、民放キー局といえば、規制で手厚く守られ、相当な高給取りで知られる。日テレも、東京商工リサーチの調べで、東証1部上場の高給企業ランキングで09年度は11位に入っている。40歳で1200万円以上の給料があるというのだ。
そんな中で、なぜストまでして抵抗するのか。不況にあえぐ制作会社など下請けの待遇改善も重要との指摘もあるが、どうなのか。
民放労連本部では、「高給取りと言われますが、今回は、大幅な給料カットの提案で、とても厳しい内容でした。制作会社などを支援するという話なら別ですが、そこへの報酬額も下げています。しかも、われわれの賃金もカットするということですからね」と話している。
日テレの総合広報部にも取材したが、担当者が多忙とのことだった。