「内側にこもった自分視点でしか話していない」
「2人のスピーチは、話し下手(とかいう)以前にビジョンを言わず、日本のことを何も言っていない。永田町の身内の話だけ。あきれるとしか言いようがない」
9月1日の情報番組「とくダネ!」(フジテレビ系)にコメンテーターとして出演したデーブ・スペクターさんは、前日の菅・小沢会見についてこう不満をもらした。
米国のオバマ大統領の演説を分析した「聞き手を熱狂させる! 戦略的話術」の共著がある、「オフィス ブレスユー」社長の田中千尋さんに話をきくと、8月31日の菅・小沢会見について「2人とも、内側にこもった自分視点でしか話していない」と評した。一方、オバマ大統領は、聞き手がどう自分の言葉を受け取るか、に配慮する聴衆視点があるという。
「31日の演説に限っていえば、2人の話を聞いても、聞き手は『この人は私たちに向かって話しているのだ』とは感じることはできません。自問自答している印象でした」
9月1日付読売新聞朝刊でも、「政治家の言葉を研究する」東照二・立命館大教授(社会言語学)がこう指摘している。
「代表選を巡る菅、小沢両氏のこれまでの発言からは、なぜ出馬するのか、この国をどうしたいのかが伝わってこない」
「31日の会見でも(略)経緯の説明に終始していた。国民生活よりも、政局に目が行っている証拠だ」