復旧作業が長期化するのは必至
機構が容器内にファイバースコープなどを挿入して調べたところ、装置をつり上げていた「グリッパ」と呼ばれる機器の2本のツメの開き方が不十分だったことが判明。ツメを開閉させる機器が、正しい状態から90度回転した状態で入っていたという。
機構の敦賀本部の広報課の説明によると、原因については
「今はCCDカメラで確認している段階で、機器を取り外して調査を行う」
などと説明。まだ本格的な調査は行われていないのが現状だ。
もんじゅは、2010年7月に、試験運転の第1段階を終了。11年5月以降に第2段階の試験運転が計画されており、それに向けて整備を進めていた矢先のトラブルだ。
復旧のためには、まずは、少なくとも「異常が見つかったグリッパを引き上げる→原子炉容器内に落下した装置を引き上げる」といった手順を、原子炉に異常がないことを確かめながら進めることが必要だ。原因究明や、トラブルの影響評価も必須だ。機構側は
「順を追ってやっていく」
とのみ説明しており、今後のスケジュールすら見えないのが現状だ。復旧作業が長期化するのは必至で、試験運転に遅れが出る可能性もある。